さっそく値下がりしてしまいました。どうすればいいのか証券会社の担当者に相談すると、
このまま持ち続けたら、損したうえ、しかも課税される可能性があるというのです。
『非課税』だというのに、『課税される』とは矛盾している。はじめに知っていれば
やっていませんでした。NISAのバカヤローですよ」
そう語るのは元商社マンの大桑雄介氏(仮名、64歳)である。今年1月からスタートした
「少額投資非課税制度=NISA」を始めたら、思わぬ落とし穴にはまり頭を抱えている。
NISAは、株や投資信託などを売買する際に、その売却益、配当金、分配金にかかる
約20%の税金が原則5年間免除される制度である。「税金がタダになる」ということで
証券会社や銀行の窓口には新規口座開設を希望する顧客が殺到、NISA口座はこの1月に
500万口座を突破する勢い。2月13日には「NISAの日」ということで、証券各社が
セミナーやイベントを開くなど大騒ぎだ。
一方で、制度の不備が多く、口座開設者たちからはさっそく不満の声が出ている。
ライフカウンセラーの紀平正幸氏も言う。
「NISAは投資で儲かった時には非課税というメリットがありますが、儲からなければ
メリットがないどころか、デメリットがたくさんあります。NISAを利用したために
損をするというケースが続出する恐れもあります」
前出・大桑氏のケースがその好例だが、それにしても、非課税を謳う制度を利用した
ことで逆に損が膨らんでしまうのはなぜか。
NISAは原則5年間だけ非課税と期間が決められており、買った株などは期間中いつでも
売れる。ただし、期限が来たら株を売却するか、NISA口座から課税される一般口座に
移さなければいけない。
仮に当初100万円で株を購入し、期限が来た時に値下がりして50万円になっていたと
すると、損切りをしたくなければ一般口座に移すことになる。(※続く)
の続き
「ここに罠があります。NISA口座から一般口座に移した時点で、100万円ではなく、
50万円でその株を購入したとみなされてしまうからです。その結果、口座を移した
後に株価が100万円に回復してから売ろうとしても、利益が50万円出たとして20%
=10万円の税金がかかってしまいます。仮に60万円で売った場合は、すでに40万円
損をしているにもかかわらず、50万円から10万円のプラスになっているため、さらに
2万円の税金を支払わなければいけません」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)
初めからNISA口座ではなく一般口座で買っていれば、100万円で買った株を100万円
で売っても60万円で売っても、税金はかからない。NISAに手を出したがため、本来
払う必要のなかった税金を余計に支払うことになるのだ。
「通常の株取引には損益通算という仕組みがあり、年間の株取引で儲けた分を損した分
と相殺して、払い過ぎた税金を取り戻せます。損益通算した上で、まだマイナス分が
残っている場合は、それを3年間繰り越すこともできます。しかし、NISA口座では
損益通算も3年間の繰り越しもできません。そのため、一般口座で取引をしていたら
税金がかからなかったのに、NISA口座のため税金が発生するということが起こりえます」
(前出・紀平氏)
いかにも儲かりそうな宣伝文句でアピールしておきながら、いざフタを開けて見れば
欠陥だらけなのである。しかも、NISAがスタートした1月から日本株は急落劇に見舞われ
ているため、「大損予備軍」が大量発生している形である。
※まだまだ続きますが割愛します。全文はソース記事をご覧ください。